やり直しがきかない人生

元夫との離婚、その後の残念な婚活期について書いたり、書かなかったりします

開通タグホイヤー④

街を歩くカップルが、チョメチョメ済みかどうかを見極めるには、繋いだ手を見ればよいという話を聞いた事がある。普通に繋いでおれば未、貝握りであれば済なのだ。

 

という事は、いまこの状態は

どういう状態なのだろうか。

 

半ドイッチ(貝)に目を落としながら私は動揺を隠せないでいた。

 

 

おまけに顔から汗が止まらんし、ひたすらハンカチ王子の如く汗を拭い続けていた。

 

対して香田(仮)と来たら全くお構い無しのご様子で、恐らく45年の人生の中で培われた、カッコ良いとされる俺史上最高のキメ顔()で語りかけるのである。

f:id:ri0ca:20161020221724j:image※写真はイメージです。

「少しでも触れていたい…(流し目)」

「伝えないと伝わらないじゃない(ドヤァ)」

「言わない後悔はしたくないからね(キリッ)」

 

 

少しは気付いてましたが、ことごとく言い方がトレンディドラマのそれ、というか、往年の俳優風味が半端ないのである。まぁ、そのいわゆるバブル世代?という事なのでしょうか。えっ、45歳ってそうだっけ?と思ったが、昔の職場にかきあげ女子(往年のほう)が居たのを思いだした。そう、得てしてそういう方は山口智子のようなキャラだったりするのである。

それは置いといて。とにかくそれを意識しはじめると、もう面白くて仕方ないのである。

 

背後で流れ続けている、せっかくのチャゲアスも、かえってバブル感に拍車をかけている悪循環…。

 

 

「帰したくないな。もっと一緒に居たい…」

{セイエーーーーース〜〜♪♪♪}

 

 

ああああwwwww

やめろぉぉぉぉぉwwwww

ギャグみたいになってるからぁぁぁぁ!!!

 

 

  

香田(仮)の腕に、何ともイキがっt…お値段の良さそうな時計がしてあるのが目に入る。ここは話題を変えたい。

「い、良い時計ですね」

 

「ん?これかい?タグホイヤーだよ(ドヤァ)」

「1ドル72円だった時代にロスで(ドヤァ)」

「F1って言ったら分かるかな(ドヤァ)」

 

 

バ ブ ル ワ ー ド

いっぱい出た気がするんだが(ぐらぐら)

 

 

 

バブルを謳歌した世代とはいえ、今を生きている現代人に変わりはないのに、なぜこんなにフレッシュにバブルを語れるのでしょうか。

あと香田をおっさん臭く見せている要因は、そのスラックスよ。教師びんびん色やん。まじで。

f:id:ri0ca:20161106030407j:image※巷ではグレージュと言うらしいが...

しかしそのタグホイヤー、1ドル72円の時代に買った、という割には、とてもキレイだった。大事に使って来たんやろなぁというのは伝わってくる。

なんかなぁ、いちいちさぁ、そういう所は良いなぁ、って思う。

 

 

ドライブは地元の某山の展望台から、某港へと移動。陽も翳りはじめ、如何にもなムードにはなっていた。

 

っは!

 

香田は待ってましたとばかりに抱き締めてきた。

そしてこう囁いたのである

「やっぱり女の子はさ、こうしてあげなきゃ、抱き締めなきゃ、だめなんだよ。放置なんてしちゃ絶対だめなんだ…。

俺がこうした所で意味無いかもしれないけど…でも…」

 

 

正直ジーンときてしまった。

 

これは後に冷静になって思うと、1番心が弱ってる時期に、最も弱いところにブレーキなして突っ込んでこられた状態。いわゆる事故。みたいなもんだったと思う。

しかし私は情けない事に完全に、香田(仮)に絆されてしまったのである。

 

香田のシャツからは、うすーーく、ほのかーーーーな、普通の洗剤の香りがした。むちゃくちゃ加齢臭ぐらいしそうなのに(失礼)驚くほどクリーン。香水とか柔軟剤の香りがするわけでもなく。

それがまた、妙な安心感をもたらす、わけで。はわわ。

 

 

 

結果、チッスを許していたのである。

 

 

はぐぉ!!!

 

 

トレンディ怖い!!!!